うつと躁、2つの状態を行き来する双極性障害について

うつと躁と。

心理・社会的治療

双極性障害は、単純に「脳内神経伝達物質の異常」で片づけられる病気ではありません。
例えば私がこの病気にかかってしまい、うつと躁の間を心が行き来して苦しんでいるとしたら、その原因は、もしかしたら私をめぐる周囲の環境にあるかも知れないのです。
私という個人と、私を取り巻く環境。この二つを切り離しては双極性障害について考えることは出来ませんし、この二つを切り離しては適切な治療を行うことが出来ません。

治療の方法には、気分安定薬や抗精神病薬を使った投薬治療のほかに、「心理・社会的治療」と呼ぶべきものがあります。
この方法で私が私の双極性障害を克服しようとするとき、私は、私を取り巻く環境について考えないわけにはいきません。
この治療方法は、私が、私の周りにある世界と私との関係を正しく認識するところから始まる。そのように言うことが出来ます。
まず私がすべきことは、病気にかかっている私と、そんな私と関わっている周りの人や物との関係を見つめることです。
例えば、毎日、私はその日の気分についての記録を取ります。あとから客観的に見直したとき、それがいかに改善を必要とすることであるかということを知るためです。
このようにして、病気について「認識を深める」というところから、私は私の心をコントロールしていく術を学ぶことになります。

そのほかにも、特にうつ状態に陥っている自分を肯定的に見つめるという姿勢を保つことも必要です。うつ状態に陥る人は、何の根拠もないのに、「自分は駄目だ」と思い込みがちです。
その思い込みをいったん脇に置いて、客観的に自分の姿を見つめること。「ダメではないのではないか。そういえば、あのことはきちんと出来たのではないか」と、日々、些細なことで構わないので、自分が成し遂げたことを思うこと。
これによって、心を改善の方向へ向けることが出来るようになるのです。

これらの治療を行うのにお医者さんの指導は欠かせませんが、周りの家族に協力を仰ぐことも大切なことです。
身近な環境と、私自身の関係の中で、私の人生はあります。それを今一度、私が確認することが出来たとき、そのときこそ、私たちは第一歩を踏み出せるのです。